ローマ人の物語4
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/09/01
- メディア: 単行本
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図書館本。
前巻(勝者の混迷)とほぼ同時代をカエサル側に視点を移して描いています。そしてルビコン以前とあるように、2巻にわたっているのです。長い。しかし、彼にはそれだけの価値があるのでしょう。ユリウス・カエサル帝政ローマの基礎を作った男。
4巻は彼の少年時代から始まります。ローマの少年たちの生活。そして成長、結婚。結婚式は(本の中にもあるように)今と変わらない、というか、ローマ式の伝統が今も続いているようです。
そして亡命、というか留学というか逃避行。元老院派のスッラの敵対者ということで国外退去を余儀なくされます。
そして帰国、弁護士業を始めて失敗。再び国外へと(^^;なかなか激動な青年時代を送っています。30歳を越えてようやくローマ、中央へ復帰。それでも、政敵も多く、順調な出世というわけにはいきません。
40歳にしてやっと、という感じ。かなり遅咲きな印象です。
そして、ポンペイウス・クラックスとの『三頭政治』
出た!世界史(^^;
弱体化しつつあると言っても、いやそれだからこそ延命に躍起になり、なりふり構わない元老院に対抗するために『三頭』が手を組みます。
そして再び世界史『ガリア戦記』
戦後処理を含めて8年間。カエサルはローマを離れ、現在の西欧世界、蛮族ガリア人の住む土地に赴きます。
カエサルという人は頭いいんでしょうね。戦場を、戦局を、政局を俯瞰で見える人だったのでしょう。
遠くガリアにいながら、ローマの様子もつかみ、情報というものの必要性を認識していたようです。
カエサルがガリアで戦う間、三頭の一人ポンペイウスは元老院派につき、『三頭政治』は崩壊します。
そしてガリア戦役を勝利し、ローマに戻らんとするカエサルを、ポンペイウスと元老院が迎え撃とうとします。
そのころの元老院、メチャクチャです(^^;支離滅裂です。一個人カエサルを恐れるあまり矛盾する法案を乱発し、「元老院最終通告」(非常事態宣言)まで出します。
ここに至って「賽は投げられた」。カエサルはルビコン川を渡るのです。
4巻はここまで。
うへー、地獄の引きです。早く続きにいかなくっちゃ。
なんというか、ガリア戦役のところとか読んでても、計画けっこう適当なんちゃうとか思いながらも、カエサルに引きつけられます。
そして、ルビコン川を渡るカエサルが、どうなって「ブルータス、お前もか」に至るのか?(<そうですよね?世界史的に合ってるよね。ちょい不安(^^;)
すぐに5巻に向かうことにします。